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7.27"思い出になってしまっても、思い出せるならまだやれる"

 

21才くらいの頃に勤めていた会社のボーナスで
僕はリッケンバッカーというギターを買った
360ジェットグローというモデルで濃いブルーの色をしたギターだ。
玉光堂ラフィラ店でそのギターを見つけてすぐに一目惚れした。
そもそもリッケンバッカーをいいなと思ったきっかけは、何を隠そう峯田和伸が使っていたからだ。ゴイステのDVD、君と僕とBEEのBEET戦争に収録されていた銀河鉄道の夜のイントロのギターの音を聞いて、リッケンバッカーが欲しいと思った。

手に入れたモノの、リッケンバッカーは気難しかった。仕様も独特、音も一筋縄ではいかなかった。だけど、僕の分身であり宝物みたいな奴だった。

2011年の6月11日に、THEラブ人間と未完成VS新世界が東京から来るイベントにリンラバが誘われた。だが、メンバーのスケジュールがつかず僕1人で出演する事になった。そして未完成VS新世界も澤田さんの指のケガで出演がキャンセルになった。ベースの安田さんはラブ人間と一緒に来ていて、ドラムのケンジはヒデちゃんから預かったラヂカセのCDを東京から持って来てくれた。その年の11月に、再度、ラブ人間と未完成が札幌に来るってなって、リンラバで出る事が出来た。その日で一度、ゆっちと外山君が抜けて、僕はリッケンバッカーを破壊した。

もう2度と4人で演奏する事は無いと思ったからだ。

それから、ギターだったケイがキーボードになり、僕はエレアコを弾き2人編成でリンラバを続けた。
そして翌年の12月に解散した。

それから半年経って僕は東京に来て、色んな事があったけど、あれから10年以上が経った。

解散ライブの時、4人で3曲くらい演奏した記憶が、僕は本当に楽しくて、もう2度と無いと思っていたけど、こんな日もあるんだなぁと最後の最後に感じていた。

20才くらいの頃に札幌moleがまだbridgeという名前だった頃に、外山君と一緒に未完成VS新世界を初めて見た。その少し前に僕は携帯の音源で、聞いていて、とても好きになり、ライブを見たくなったのだ。その日は、シュリスペイロフ、サジカゲン、サカナクションも出ていて、本当にすごい日だった。
それから僕は幾度となく未完成のライブに通った。
澤田さんが書く歌詞にどれだけ影響を受けたか分からんくらい、影響うけた。
ここ数年はちょこちょこ下北沢で一緒にコーヒーを飲んだり、たわいもない事を話したりってゆうお洒落な付き合いもさせてもらっているが、やっぱりいつまでも憧れの人だ。

20才で外山君と一緒に行ったbridge、21才で買ったリッケンバッカー、2011年の11月のmole、2012年12月の解散ライブでの4人の演奏。

それらが交差して、明日、2023年7月28日に札幌moleで開催される未完成VS新世界レコ発ツアーにリンダリンダラバーソールが出演する。

あれからどれくらい時間が経ったのかもうよく分からないし、本当に色々な事があって、変わってしまった事も沢山あるけど、僕はやっぱり今日まで生きて来て良かったな、と今思って成田空港に向かっています。


今の僕には、
あの日歌えなかった優しい詩がきっとあるはずだ。

佐々木泰雅

コメント

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