④雷
2024年の8月になってすぐあたりに1通のメールが来ていた。浅草にある”Gold sounds”というライブハウスのブッキングをしている「としぞー」という方からだった。僕がライブオファーを待っている旨を知り、メールしてくれたみたいだ。ユーチューブなどで色々と曲を聞いてくれて、未完成の澤田さんとのツーマンの風知空知も見てくれていた。メールの文章が誠実ですぐに好感を持てて返信をした。その月の後半にすぐにイベントに出させてくれて、そういやある程度のキャパのあるライブハウスで歌うのが久しぶりだって事に気づき緊張していたのを覚えてる。 サンプラーとエレキギター、弾き語りの曲、インスト、その日自分に課した課題はクリアできたライブで、僕は少しだけ自信を取り戻していた。と同時に、この同期を交ぜたライブの辿り着く場所がどこなのか、ある程度イメージしなければいけないと感じていた。じゃないときっとまた同じことを繰り返す。 浅草という地は馴染みがなかった。ライブをするのも初めてだったし、なんというかうまく自分が混ざらないなと感じていた。としぞー君は毎月のようにイベントに呼んでくれた。10月になり、チリ共和国から「MAREO!」というユニットが来るとの事で出演させてもらった。「MAREO!」は以前にもGoldsoundsに出演した事があるようで、顔合わせ時の受け入れられ方を見て、僕よりも浅草に馴染みがあるように思えた。トップバッターでライブを終えると、MAREO!のメンバーの女性が話しかけてくれた。なんとなくライブを褒めてくれたのが伝わった。使ってるサンプラーを見て「SP。。?」と聞かれたので「404MK2」と答えると「オー!!ソーグット!」みたいなリアクションをしてくれて、この機材を使っていたのを嬉しく思った。 それからもとしぞー君は何度もライブに呼んでくれて、僕はその都度、ライブ映像を購入した。Goldsoundsの映像は、知る限り一番良いし、もちろん音も良い。 今だにまだうまく溶け込めない街だと感じる浅草、出演時間に遅れそうで走って思いっきし転んで、手を擦りむいたこともあったけど、今はほとんど治ってしまった。 まだまだ足りないのだと思う。もっとここで歌って、自分のストーリーを紡いでいかなければ、本当の擦りむいた傷は治らないのだと思う。 まだまだこのライブハウスとの続きを見たい。