僕としっぱいまんの話。 東京の東新宿という街の小さなライブバーで定期的にしっぱいまんと企画をやっている。 しっぱいまんは僕が地元札幌に居た頃に出逢った。2007年くらいに一方的にライブを見た時に歌っていた「小銭をじゃらじゃら鳴らしながら」って歌にグッと来てから、しっぱいまんがやってたJET THUNDERSってバンドの大ファンになった。JET THUNDERSのライブに沢山行った。アクメナイトって企画をJET THUNDERSはやっていて、東京のめちゃくちゃかっこいいバンドや札幌のめちゃくちゃかっこいいバンドが出てた。僕はそのバンド達に影響受けまくって、バンドとライブハウス以外の事はどうでも良くなった。JET THUNDERSと対バンするのが夢だったし、アクメナイトに出るのは夏フェスに出演するくらいの憧れだった。初めてアクメナイトに呼んでもらえた時は飛び上がるくらい嬉しくて、ライブスケジュールに自分のバンドの名前があるのを見て、ずっと幸せな気持ちだった。僕はJET THUNDERSのコピバンが出来る自信があった。あるアクメナイトの企画で、JET THUNDERSの曲をカバーしてくれるオープニングアクトを募集しているのを見てすぐ連絡して、出演もした。「夜はまだ始まったばかり」という曲を家でしょっちゅう歌ってた。カルトフラワーズとキンゴンズをゲストに呼んだアクメナイトに僕らもバンドで呼んでもらえた日、最後のJET THUNDERSのライブ中にステージに呼ばれしっぱいまんのギターを弾かしてもらった。しっぱいまんはダイブしてフロアにいた。ステージには、僕となおやんとジョニーさんの3人で、僕は夢を見ているのかと思った。あの日部屋で一人で夢中でコピーしていたバンドの人達と、夜はまだ始まったばかり、を一緒に演奏する日が来るなんて。僕はもしかしたらJET THUNDERSになりたかったのこもしれないとその時思った。 時が経って、なおやんとジョニーさんと離れたしっぱいまんは上京していった。 僕も上京してなんだか少し距離が近くなった。でもやっぱりあの日の2007年の小銭をじゃらじゃら鳴らしながらの衝撃が消える事は無くて、僕にとってはずっと憧れの存在のまま、だから一緒に企画なんてやりたくなかったな、ってたまに思ったりした。だから、自分のままでなんて居たくなくて、壊して再構築する意味で